素振りの適切な回数について
100回を3セットは凄いですね。手を抜く事が下手な真面目タイプの小学生は身体が壊れないか心配になります。素振りで肘が痛くなるという選手もいるくらいですから量的にはちょっと多いかもしれませんね。
素振りの目的を考えて練習する
一般的に行われている素振りの練習にはそれぞれ目的があるので、闇雲にバットを振り込むだけというのは少々もったいないかなと。効果や目的はいろいろありますが大きく別けて考えれば3つ。
- 基本系
- 強化系
- 意識系
バッティングフォームとなる型をつくる-基本系
スキルアップに欠かせないのがフォームをつくる素振り。ひとつひとつの基本の形を覚えて自分のスイングをマスターするのが目的です。これは個性とは別に一般的に野球で教わるものを覚えていくということです。
たとえば「肩を開かないように」「テイクバックは小さく」「体が前に突っ込まないように」「頭を上下させない」などです。
基本の型を一度つくれば、そこから実戦を繰り返すことで自分の自然体なフォームに変化していきます。フォームは十人十色だから指導法は様々だというのは、この後の話です。
基本ができていて生きたボールを打ち込むと自分の中でニュアンスを変えることが出来てきますのでフォームは結果的に個性的になるんですよ。その人にしか理解できないこだわりみたいなものです。もちろんこの部分を行わせないチーム環境だとみんな同じ打ち方になりますが…。
インパクトやスイングの力強さを鍛える-強化系
学童野球ではあまり行わないかもしれませんが、インパクトやスイング全体の力強さを鍛える方法もあります。バットに重りをつけた素振り、タイヤを打つことでインパクトを鍛えたり…素振りでは無いですがソフトボールでのロングティーなんかも強化系でしょうかね。
小学生の内から800近いトレーニングバットで振り込むなんて馬鹿げた練習は行う必要はありませんが、ジュニア用のトレーニングバットはパンチ力へ繋がるでしょう。最近はインパクトで音が鳴る素振り用のトレーニング器具も販売しており、これらも強化系では有効かなと個人的には思います
身体が感じている主観的な感覚を磨く-意識系
これはセンストレで行っているようなタイプの練習です。バットの芯を身体で感じながら素振りを行ったり、手とバットの関係を改善してグリップとのフィッティングを良くしたりなど。
ラインの意識を利用してバットの軌道を制限するなんて練習もありますが、そこまでいくと難しくなりますのでお勧めはバット中心操での素振りですね。とにかく柔らかく揺する。これに尽きます。
素振りを行うのは機械では無くあくまで人間である
こんな感じで目的を考えながら素振りすると良いかもしれません。ただ、何回振ればいいのか?みたいに素振りをノルマ化するのはナンセンスです。ノルマ化したくなるのは目的を明確にしていないから!!上記を参考に素振りをしてみると単調にはならないですよ。
それから質の部分ですが『正しいフォームで振らなきゃ何回振っても意味がない』というのもちょっと違うかなと。基本系は皆が通ってきた部分ですし、これはある意味根気よく振り込まなければ意味がないですからねw
素振りを行うのは機械では無くあくまで人間ですから、身も心も気持ちよければ素振りを続ける、気分が乗らない・体が痛いなら止める。当たり前ですがこれが出来ていない人が多すぎるかなと思います。
どんなに優れたフォームであっても肉体的な限界を超えてしまうと体は簡単に壊れますからね。学童野球の選手は大人に意見をいえない立場ですから、意外とこういった無理する子どもが多いので決してムリをさせないように気を付けてください。